どちらも『免疫革命』の著者阿保徹さんの著書です。
免疫革命の著者とは知らず読んでいました。
免疫革命は10数年前ざっと立ち読みした位なので細かい所は覚えていません。
こちらの本の方が新しいので情報も多いと思います。
20億年前の、酸素が地球上で存在しない頃の解糖系の細胞の話と、酸素をエネルギー源とするミトコンドリアの話が多いです。
ちょっと極端じゃないかなと思うのは、
- 男性は解糖系で、低酸素低温を好み、無酸素運動に適しているとか、
- 女性はミトコンドリア系だから有酸素温暖を好み、有酸素運動に適している
人間はそんな単細胞な訳ではないのだし、本質は男性女性の差はこの本で言う程無いのではないか。
そして、
- 解糖系は白筋=速筋、
- ミトコンドリア系は赤筋=遅筋
なので
- 男性は瞬発力系が得意で、
- 女性は持久力系が得意
ホルモン的にはそうなのだろう。
でも、加齢と共にミトコンドリア系へシフトするという。
男女共にミトコンドリア系へシフトするのか?
だとしたらただ単に男性が女性化するという話ではないか?
- 速筋は無酸素で鍛えられる、としても、遅筋を鍛える時にも酸素は吸えていないと思う。
- ゆっくりと筋肉を動かす筋トレは遅筋のトレーニングだと思うが、遅筋であってもパンプして来ると最大の筋力を動員しなくては遅筋を動かせない。
- それを持久力と呼ぶのかもしれないが、速筋を長く使うトレーニングという物もあって、速筋の持久力を高める物なのだ。
なので遅筋が有酸素とは限らないし、速筋が持久力を使わないとは限らないのだ。
速筋を使いながら合間で有酸素運動を挟むと、速筋を使ってるのか遅筋を使ってるのか?どちらなのか決められないのだ。
- ジョギングは有酸素運動ともなるが、ゆっくりした遅筋の筋トレよりも動きが速く、酸素も多く使っている。
- それから、筋力を鍛えず持久力系の運動をするとスタミナ切れを起こすだけで、回復した後は何も残らない。
- ところが、筋トレで筋力が付いてから持久力系の運動をすると、スタミナ切れも起こさず運動自体が軽くなる。
その辺のバランスの事はこの本でも書かれていた。
楽な事ばかりやっていても病気にかかる。
ある程度の負荷をかけた方が体は強くなる。
という内容だ。
- いくら女性は持久力系が得意とは言え、筋トレしてから持久力系をやった方が断然楽なハズだ。
- 瞬発力がいくらあっても続かない瞬発力は戦力にはならない、と言う事がクライミングでは多々あった。
速筋は酸素を必要とせず、糖をエネルギー源として活動するという。
酸素が無くても動かせる。
でも長続きしない。
長続きしないとは、結局酸素が必要という事ではないのか?
乳酸がたまるから長続きしないと言っているが、それ以前、酸素が必要なため続かないだろう。
乳酸がたまって長続きしないのは持久力系でも同じ事だ。速筋のみの話ではない。ゆっくりした動きの筋トレでも当然乳酸はたまる。
むしろゆっくりした動きの方が乳酸はたまる。
そして乳酸の分解速度が遅い様な感覚がある。
速筋が長く使えないのは体全体の維持のための酸素を取り入れる必要があるからではないのか?
心臓、脳、脊髄は遅筋で動くらしいので、
むしろ速筋が持たなくなるという事はなく、遅筋が持たなくなるので無酸素運動を長く続けられないのだろう。
というか、筋肉の問題ではなくて、体全体の酸素の維持のため、ながく無酸素運動をさせないのだろう。
体全体を見ると、速筋を使う事で無酸素の時間が増えるため、ダメージがあるという事ではないのか?
遅筋でも無酸素となる場合もあるので、遅筋なら良いとは思わない。
そして、ゆったりとした動きが良いという事もグレーゾーンだ。
ちんたら歩くとスタミナ切れを起こすが、早歩きなら全く疲れない。
歩くよりジョギングの方が筋力を必要としないし、これらは全て有酸素運動なので、キビキビ動こうが、ちんたら動こうが無酸素にはならない。
低酸素低体温がマズいらしいので、
有酸素運動であるならゆったり動く必要は無いだろう。
自分の快適なペースなら良いのだろう。
それと、高所トレーニングでヘモグロビンを増やすという事はよく行われている様だ。
サッカーまでそんなことしていたのか。
一時的には心肺機能や血液の機能が高まって効果があるが、
高所の効果は時間と共に無くなる。
加圧トレーニングの事も書いてあった。
圧迫しながらトレーニングする事で血液の循環を阻害して低酸素状態を作ってトレーニングするという事なのだ。
これは組織的なダメージが無いのか疑問だったので自分は試したことがない。
この加圧トレーニングは低い負荷でも筋トレの高い効果が得られるという横着なトレーニングでもある。
それならマスクしてトレーニングすれば良い。
マスクしただけでも全然キツいトレーニングとなる。
加圧は苦しくならないのか?
ならないとしたら逆に恐ろしい。
組織的にはダメージがあるだろう。
最近は有酸素有酸素言うので、換気しながら扇で仰ぎながら運動しているが、マスクしたときの倍は楽だ。
有酸素では筋肉は付かないという感触もある。
ただ、その分負荷を上げるという事も可能だ。
どちらが良いのだろう。
負荷を上げても関節などを痛めるなら、低い負荷で低酸素下で筋トレした方がダメージが無いかもしれない。
が、回復期は低酸素下では回復に時間がかかるので、高所順応の方式では標高を下げて回復させてから再度登りかえすらしいのだが、
その応用で、トレーニング時はマスクをして、終わったら即マスクを外す。
ただ、低酸素下で筋力が付き易いというのは、トレーニング時のみの話なのか、回復期も含むのかは分からない。
速筋は低酸素低体温で、回復期は暖める方が良いみたいなので回復期は有酸素で良いのだろう。
この解糖系とミトコンドリア系の話はそもそもガンのメカニズムを説明するための物だった。
- 成長と老化のミトコンドリア系がストレスで持たなくたると、
- 不老不死の解糖系が問題解決のため出てきてガン細胞を作って補おうとするらしい。
ミトコンドリア系と解糖系の両方で今時の人間の姿を作っているが、
このガン細胞の場合は酸素が無かった頃からいる解糖系の努力ではあるが、今時の人間のシステムとは違っているので問題らしい。
- 解糖系は無酸素で不老不死でひたすら分裂を繰り返す、すなわちこれがガンの特徴でもあるという事だ。
そこへ出てくるのが免疫機能で、
- 免疫機能を持つ白血球には顆粒球とリンパ球とマクロファージがあり、
顆粒球が65%、リンパ球が30%、マクロファージが5%が普通らしい。
- 顆粒球は細菌や老朽化した細胞の残骸を処理し、
- リンパ球はウィルスの様な異物やガン細胞等を処理。
このリンパ球が30%を下回るとガンが発生し、
上回るとガンは縮小していくらしい。
この顆粒球とリンパ球は先ほどの解糖系とミトコンドリア系とペアみたくなっていて、
★顆粒球&解糖系&低酸素&低体温&速筋&瞬発力=交感神経緊張型
★リンパ球&ミトコンドリア系&有酸素&温暖&遅筋&持久力=副交感神経緊張型
というやや無理なザックリした分類となっている。
自分は低酸素下で瞬発系、速筋、糖質メインな食事で来ている。
でも、若い時のトレーニングは筋トレより持久力系のトレーニングのみやってきて、ストレスに弱く体力が無くて、仕事も休みがちだった。
30過ぎてからは筋トレをベースとした体作りがメインで、持久力は無いと思っていたが、実際は仕事で疲れる事は全く無くなったし、山へ登れば持久力も発揮した。
なので、筋トレによって持久力のベースが鍛えられると言いたい。
そして、
- 免疫系は筋トレによって強化され、
- 持久力スポーツによって消耗される。
筋力の乏しい体での持久力トレーニングは無駄に体を消耗させるのみで、持久力は強化されない。
その持久力トレーニングでストレスや老廃物が膨大に積もり、処理に時間がかかる。
この老廃物は乳酸だけではなく、他にも何か有りそうだ。
- 特にランニングではかかとへの刺激でヘモグロビンが減少するらしい。
なので、かかとへの刺激を軽減するためのかかと以外の筋力の強化や、
- 低酸素下でのヘモグロビン増加がランニングのパフォーマンスを上げる。
ただ、
- 低酸素低体温とガンの繋がりも無視出来ない。
が、運動した後相応の睡眠が取れるなら逆に免疫力は上がるのではないか?
疲れているのに睡眠を邪魔される環境では保証は無い。
そしてこの本で共感した事は、
逃れられないストレス環境で過ごしているなら、一度その環境から離れるという事を自ら選ぶべきだ、と言うところだ。
著者がストレスから排尿困難となった話もあった。